「弦の会」掲示板

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イベントページ訂正 - 長沼宏之

2023/12/27 (Wed) 18:42:40

1月20日(水)読書会は1月17日(水)に訂正します。すみません。

弦114号(2) - 白井康

2023/12/26 (Tue) 16:28:51

 弦114号合評会が師走の12月10日に開催されました。弦の同人の10名に加えて、果樹園のそらさん、松本さんや逢坂も出席され、さらに石原さんや高見さんや、中村さん知り合いの方が大阪よりお見えになった。

出席者が16名となり連結の会議室も狭く感じられました。

活発な批評もあって緊張感あふれる合評会でした。
出席者の方々には感謝の言葉しか思いあたりません。

これかもらよろしくお願いします。

弦114号合評会1) 長沼宏之

2023/11/26 (Sun) 13:59:35

弦114号合評会(1)  11月12日開催
1.忘れ雪  小森由香
わずか47歳で急死した母の死を受容できず、鬱を発症した一人息子。彼は大学を休学して山形の母の実家に帰る。祖父母、曾祖母に暖かく迎えられ、雪かきに明け暮れるうちに再生する様子を描く。死者との別れの繰り返しを忘れ雪になぞらえる。また曾祖母の苦難の人生を教えられる。雪との共生、雪は自然に逆らわない生き方を象徴する。彼は母の死を受容し、生きる希望を取り戻す。読後感もよい。

2.我儘なお姉さん  国方学
終戦時、朝鮮からの引揚者の苦難を語る家族史。ドキュメンタリーとしても貴重である。
植民地朝鮮でエリート銀行員として優雅な生活をしていた家族が、子供8人を連れて引き揚げて、開拓農民として極貧の生活に陥る。家族が団結して懸命に生きる中で、年の離れた長女だけが我儘な性格で東京の叔母の家で暮らす。彼女の異色ぶりが活写される。やがて成人して独立する子供たち。きずなを守るために家族文集を発行する。これが実に数百号に達したというのだから、尋常ではない。文芸の力である。この文集のなかでもあっけらかんとして周囲を気にしない長女。この生き方も一種の生きる力だろう。

3.春の裂線  市川しのぶ
出版社の編集長として独身で頑張ってきた40代の女性が、愛人のカメラマンとの関係に結論を出そうと考えて 伊豆の古寺に古仏を訪ねる旅に出る。彼女の心象がていねいに描かれる。迷う彼女は、妻を亡くして追慕の旅に出た男性と寺で行き合い、彼の言葉に心を動かされる。「いつかは旅を終わりにして生きることを決心しないと」 いわゆるキャリアウーマンの生き方、悩みを示唆している。結論は出さないが、生きる希望を感じさせる。作者の年輪がにじみ出ている。


4。あり   高見直宏
アリの生態を描くと見せて、実は寓話である。何も考えずひたすら列から離れず働く一匹のあり。彼はふとした機会に群れから離れて、天敵に捕食される危険を冒しながら、貴重な収穫を得る。するとごく自然に彼は列の先頭に立たされて、リーダーになっていた。無難に生きるのではなく、みんなと違う生き方、つまりハイリスクを執ることによりハイリターンを得る。いまさらながら実感を伴って会得させられる。起業の奨めか。

5.ガラスの壁  長沼宏之
 日本企業ににおける女性の、男性に負けない生き方としてのキャリアウーマンを取り上げている。一見企業戦士として男性に伍しているが、内情は目に見えない壁がある。仕事以外の何かを犠牲にしている。子育てを実母、つまり子どもにとって祖母に委ねる、夫が主夫を勤める、家庭を持たず独身を貫くなど。その実態を描こうとしている。あからさまには書かれていないが、根本は家庭において夫婦が真の男女平等になっていないこと。さらにその原因は夫の長時間労働が当然になっている企業環境にある。その中で苦闘する意欲ある女性たちへのエールでもある。理屈ではなく、まず小説として読ませる工夫が感じられる一編である。

市川しのぶ著 「春の裂線」 - kanko

2023/11/05 (Sun) 08:22:44

今日降る雨は春まだ遠い。
 傘をはじく激しい雨音は 砂利を踏む足音も消してしまう。強い雨の模様は、文章から痛いほど伝わってきます。それは、雨中を歩く女の心の在り処でもあるようです。でも、古い寺を守る寺男と妻の素朴な優しさ、古寺の佇まい、たまたま同宿になった男の存在に、女の頑なさがほぐれていくのを感じます。
 しのぶさんの描く『一途な女』シリーズ?にあって、男に心中を吐露した後の景色は、思いのほか明るくて、それは、越冬燕の飛翔に表されている様に思います。
 女の心も温かい春に向かって飛べ!

Re: 「春の裂線」 - 市川

2023/11/06 (Mon) 12:51:51

ご批評ありがとうございました。
先回コロナで出作出来なかったので、1年ぶりの作品です。今回は芸事を離れての内容でした。私のもう1つのライフワークとしております、キャリアウーマンの物語でした。久しぶりの作品なので昔の書き方の癖が出たようです。回りくどい言い方が各所にみられます。肩に力が入ったようでもあります。
今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

10月読書会 - 長沼宏之

2023/10/27 (Fri) 19:00:02

10月18日の読書会では、村上春樹の新作「街とその不確かな壁」を取りあげた。壁は村上にとってキーワードの一つであるが、本作において「壁」に囲まれた街が何を象徴するのか、それについて参加者それぞれに意見が述べられた。全体が3部で構成されている。壁は現実世界から、時間や効率と関係ない夢幻の世界を分断する境界ののようである。そこでは主人公の分身である影が切り取られている。第2部では主人公は現実世界に戻り、影と合体する。福島の小さな町の図書館長として雇われる。そこでのオーナーの亡霊との交流、社会とは適応障害だが異常な記憶力という特異な才能を持った少年との出会い、などを通して、主人公自体の正体が徐々に見えてくる。そしこの少年こそが「その町」にふさわしい人物であると明かされる。そして第3部では少年がその町に入り、彼にしかできない役割を果たしてゆく。夢と現実、実態と影、意識と非意識など、実は我々は2層、3層の複雑な世界に住んでいる。それを感じる人間と感じない人間がいるのではないか。ここは参加者全員が一致した。さて自分は どちらだろう。
 村上の小説は何を言いたいかにかかわらず、600ページを超える長編でありながらとにかく面白く読める。これも才能、という点でも一致した。

8月読書会お疲れさまでした - 高見直宏

2023/08/25 (Fri) 22:04:29

8/23(水)読書会、久しぶりに参加させて頂きました。楽しかったです。
重松清の「はるか、ブレーメン」
当日はまだ半分しか読めていませんでしたが、きょう読み終えました。
読書会で「エピローグは余分」という意見が出ましたが、そこは私も同感でした。
とてもテンポが良く、一気に読み流せる作品だと思うのですが、私としては深く心に刺さるものはなかったかなと。
(恒川光太郎さんや川越宗一さんのような推し作家と比べてですが…)
弦の読書会なので、作品の芸術性についてもっと客観的に語るべきかと思うのですが、どうしても個人の感想になってしまいます。まだまだですね。
続けてコツコツ読書します。
皆様、お疲れさまでした。

2023年7月読書会 長沼宏之

2023/07/22 (Sat) 12:25:55

今回はノーベル文学賞を受賞したフランスの女性作家アニー・エルノーの「シンプルな情熱」を採り上げた。「ロマンチシズムとは程遠い赤裸々な不倫体験告白」と帯にあり、身構えたが、読んで、違和感はなかった。もっぱら恋する女性のパッションを作者自身の体験として追っている。「私」は離婚した教師でインテリ、男は東欧の外交官で妻子ありの俗な男だが、この男のどこに惚れたは書かれていない。恋に理屈はいらない。一方、これほど訳者あとがきの長い小説も珍しい。フランスの様々な作家、評論家の書評を紹介しているが、総じて男性の評価は理屈っぽく、低い。対して女性側からの評価は高い。感性で捉えようとしている。
小説の描写は非常に簡潔。運命的な出会いとか、それぞれが置かれた状況は一切書かれていない。私は熱に浮かされたような自分を客観的に記述するだけである。エルノーのことば「読者が自分自身の物語として読むことが可能になることに作品の存在意義がある」。彼我の社会の受容性というか超えられない壁があることも痛感したというのも出席者の共通した感想であった。何か新しい発見が込められているわけではない。ただ誰もが知っていることをこのように描こうとしたところに大きな意味がある。抒情に流されず、冷静に事細かに。

高見様「あこがれ」感想ありがとう - 長沼宏之

2023/06/21 (Wed) 18:51:56

合評会では家出を敢行した恭子が途中で挫けてUターンする心理が描けていないという批評がありました。家出というのは、ものの勢いで決心しても、情念の世界ではそう簡単ではない。そこを書きたかったのです。麻衣子の視点へと一時的に揺らいだのは、恭子を煽ったことは自分の不満を転嫁した、それに対する反省という意味のつもりでした。深く読んいただいて感謝します。

Re:御礼 - 門倉まり

2023/06/11 (Sun) 23:46:02

  高見直宏様
「タナトス」の感想をわざわざありがとうございました。私は難しいことは全然わかっていなくて、気の向くままお話を作っている傾向があります。参考文献も難しいものは読んでいません。ちゃんと読んで、読者にわかっていただけるお話を書くようにしようと思います。
ご指摘くださってありがとうございます。

感想「あこがれ」 - 高見直宏

2023/06/10 (Sat) 22:45:01

「あこがれ」長沼宏之様
かけ落ちした亮介とうまくいかず、また逃げようとした恭子が、一児の父・耕一と出会い、家族を形成することの意味を見いだす作品…と読みました。
長沼様の作品はいつも読みやすいです。59枚の長さを意識させません。
P126上段に書かれた亮介の性格が分かりやすいです。
P128下段に書かれた恭子の容姿も分かりやすいです。
ただ麻衣子視点では恭子のキャラクターとしての魅力がダウンするように感じました。全体を恭子視点で書ききればもっと面白くなる…そんな気がしました。

以上になります。今後もよろしくお願い致します。


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